投資分析のはなし①

前回、投資利回りについて書きましたが、今回から数回にかけて投資分析法について解説いたします。

投資利回りには抜けている概念があります。それは「時間的価値」です。
アメリカでは”Time Value of Money”として投資の基本中の基本の概念です。

「時間によって価値は変わる」 今日の1万円と1年後の1万円では価値が違うという考え方です。
簡単に説明すると、以下の理由からです。

・今と将来では、お金を受け取れる確実性が、今のほうが高い。
→今日1万円もらう方が、1年後1万円をもらう約束するより確実である。

・物価変動により、今と将来では同じ金額でも、購買力が違う。
→物価上昇すれば、1年後の1万円では今日1万円の商品が買えない。(デフレの場合は逆)

・1万円金融機関に預けておけば、利子がもらえるので1年後には1万円以上になっている。
→今日の1万円は1年後1万円+利子の価値がある。

時間的価値を考慮した不動産の評価方法にDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法があります。
聞きなれない言葉かもしれませんが、日本でも不動産証券化の普及に伴い浸透してきました。
不動産が稼ぎ出す毎年の収益(NOI)と復帰価格(売却価格)を適切な割引率で割り引き、その合計額を不動産価格とする方法です。

簡単に例をあげてみます
毎年の収益(NOI) 100万円、5年後の復帰価格(売却価格) 1000万円、割引率10%の不動産の場合

100万円/1.1+100万円/1.1^2+100万円/1.1^3+100万円/1.1^4+(100万円+1000万円)/1.1^5=1000万円
つまり、この場合の1000万円で購入すれば、10%の利回りが確保できるということになります。

例では5年間で計算しましたが、5年~10年位が一般的です。
私の場合も5年を採用するケースがほとんどです。
あまり長い期間だとそれこそ「絵に描いた餅」になる恐れがあるからです。

割引率についても、自分が期待する利回りや周辺相場を採用します。
ちなみに、この割引率の事を「キャップレート(還元利回り)」とも言います。

このように、収益物件では対象不動産がいくら稼ぎだせるかにより価格が決まります。
ただし、前提条件は「正しい数値」で計算されていることになります。
これが一番重要かつ難解ですが、「That’s your job!」 投資家の仕事です。

面倒な方は、私にご相談ください。(前回と同じオチでスミマセン・・・汗)

次回からは具体的な投資分析について解説します。